オススメ書籍#1

既にご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、今回はモルディブ関連書籍のご紹介を。

三倉奈美さんという方が執筆された「旅の指さし会話帳55モルディブ」は、ディベヒ語(モルディブ語)の会話集なのですが、これがすごく濃い内容なのです。
普通、会話集といった類のものは旅行の際に役立つ言葉、例えば「いくらですか」、「何時ですか」、「○○に行きたいです」みたいなものが羅列してあるのが常ですよね。
もちろんこの本では、そういった言葉も取り上げてはいるのですが、さらにディープに「(ダイビングの)バディがいないんだけど」、「一目惚れ」果ては「嫉妬深い」なんて言葉までカバーされ、守備範囲の広さには驚かされます。また、各言葉にはカタカナで発音を表記するとともに、モルディブのターナ文字も併せて掲載されていて、まさに「指さし」て使用できるようになってます。(でも、「嫉妬深い」って言葉を指さして意思表示されても困るけど)

さらに私がビックリしたのは、モルディブの文字であるターナ文字の体系だった解説や、ディベヒ語の文法にまで記述が及んでいるところ。お恥ずかしい話ですが、口語ばかりでディベヒ語をマスターしようとしていた私には、知らないことだらけでした。
モルディブのショートイーツ(おやつ)の写真入り解説があったり、モルディブ人の気質についてのページも楽しめます。ページ下のミニコラムもなかなかの充実ぶり。これらは、言葉をマスターするためだけではなく、読み物としても充分に楽しめるものとして、この本の価値を高めてくれています。

ツーリストだけではなく、モルディブ在住日本人にもお勧めできる素晴らしい本です。128ページで1800円と安くはない値段ですが、その価値は充分あるでしょう。いい本と出会うことができました。

旅の指さし会話帳〈55〉モルディブ(ディヴェヒ語)
三倉 奈美

情報センター出版局
2004-06
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