モルディブでジュゴン

ディベヒ語(モルディブの言語)で”カンドゥ”は海、”ゲリ”は牛を指します。で、この2語が合わさった”カンドゥゲリ”は、ジュゴンなどの海洋ほ乳類を意味するのです。
名前が存在する通り、モルディブにも海洋ほ乳類であるジュゴンが存在していました。ジュゴンは早朝や夕方どきに、捕食のために浅場へ接近してくる性質があり、そのミステリアスな習性や姿形のためにモルディブの人たちにはあまり歓迎されていなかったようですね。
ものの本によると、ジュゴンを見た人の生命を脅かしたり、その家族に危害を及ぼすといった迷信が根強く残っていたとのことです。イスラム教というやや排他的な宗教の影響もあったことでしょう。いずれにしても、ジュゴン達には住みにくい場所だったようです。
残念ながら現在はジュゴンが出現したというニュースは全く聞きません。20年ほど前にフェリドゥ環礁の南部で出たという報告以降、まったくの音信不通となっています。

もし、いまだにモルディブジュゴンを見ることができたら、世界的スケールのモルディブの海に、さらに誇ることができる要素が増えたのに・・・残念なことです。(ジンベエの次はジュゴンツアーだ、と経営者特有のイヤらしい下心があるのは否定いたしません)
でも、もしかしたら、どこかにひっそりと暮らしているのかもしれませんね。モルディブにある1200の島のうち、人がいる島は300にも満たないのですから。