潜水時間32分・最大深度5.8m

maldives2006-01-22

2週間ぶりの書き込みです。
今回は、個人的にちょっと嬉しかった出来事について書いてみましょう。

先週のツアー2日目のことです。
この日はジンベエが次から次へと現れて、まさに「ジンベエラッシュ」となった日でした。その中の1匹のジンベエ君が、とっても「イイ奴」だったんです。
とりあえず、このジンベエ君のことを”ジン君”と名付けましょう。

このジン君、発見時はかなりの浅場をボヨーッと漂っておりました。
通常、こういうケースでは3点セット装着のスノーケリングでジンベエウオッチをするのですが、このジン君発見時はダイビングのエントリー直前。全員が重器材を装着した状態でした。

ここでガイドは悩みます。重器材を装着した状態では、泳ぐスピードが極端に遅くなるので、ジンベエのウオッチ時間が短くなるし、排気エアを嫌うジンベエが多いのも確か・・・んでも、重器材をいったん脱装してスノーケリングの態勢に変更するには、エントリーまで時間がかかるし、何しろゲストへの負担が大きくなるし・・・と。

結局、この日はまだスクーバでのジンベエ遭遇をしていなかったこと、ジン君が茫洋とした性格に見えたことなどを勘案し、そのまま重器材を装着した状態でエントリー!となりました。

で、これが大正解!
このジン君、多数のダイバーに囲まれてもボーッとした状態で、かなりじっくりとウオッチを楽しむことができたのです。僕もニコノスRSを持ってエントリーし、浅場を漂うジン君を篠山紀信なみの熱さで激写いたしました。いや〜楽しい!
で、経過すること数分。ジン君の泳ぐスピードが少しずつUPしてきました。
一緒に泳ぐこちらもスピードを上げますが、ゲストの中には追いつけずに追うのをやめる人も出てきました。追うのをやめたゲストは、他スタッフがケアしています。
気がつくと、ジンベエを追っているのは僕ひとり、という状況になっていました。ジン君は、「追いつけなくはないけど、まずまずのスピード」で水深3〜4mの超浅場をクルージングしています。こちらも併走しつつ、キマったところでシャッターを押します。普段はスキンダイブで、上から眺めることが多い浅場のジンベエですが、このようにスクーバで下から眺めあげる浅場のジンベエってのは、僕にとっても新鮮でした。それになにより、息ごらえなどの心配をしなくていいのが嬉しいところ。ジンベエの進路を先読みして、待ってからじっくり撮影できるのは有り難かったですね。

とまあ、そんなこんなで、ダイビングコンピューターを見ていると、潜水時間は20分・・・。ゲストが気になった僕は、一旦浮上して、近くで待機していたダイビングドーニに確認してみました。でも、ゲスト陣は、すでに他ガイドと一緒に深場へ潜り直しているとのこと。
まあ、これで、後顧の憂いがなくなった僕は、再潜降して再びジン君とのランデブーに。いや〜、これは至福の時でした。ジンベエとマンツーになれることって、なかなかありませんから。

結局、ジン君が深場に消え入るまで一緒に泳いだ僕でした。
浮上後、コンピューターをチェックしてみると

潜水時間:32分 最大深度:5.8m

の表示が。普段、ログはつけても、潜水時間・深度などのデータをつけない僕ですが、このデータだけは保存しておきたくなってしまいました。

*ちなみに、深場へ再エントリーしたゲスト達は、別個体のジンベエと遭遇していました。うむむむむ・・・おそるべしモルディブ

*写真のジンベエは05年に撮影したもの。