ジンベエどこだぁ〜

今回はちょっと長め。我慢しておつきあいください。

昨日までのトリップは、マンタ・ジンベエ・ハンマーヘッドと「大物三冠」を達成したうえに、無風・晴天のコンディションに恵まれ、大成功のうちに終了いたしました。
ただ、ちょっと気をもんだのがジンベエ様。ジンベエが期待できるアリ環礁南部エリアの透明度が概ね20−25mと、プランクトンイーターーであるジンベエザメの遊来を拒絶するかのような透明度の良さだったのです。で、やはり案の定というか、ジンベエの姿は全然見えません。
アリ環礁到着が10月18日の11:00頃、そこからダイビングの合間をぬって水面ジンベエを探していったのですが、結局この日はジンベエの影すらも見つけられないまま終わってしまったのです。この日の夕食タイムが、ちょっぴりドヨーンとした雰囲気に包まれたのは、このことに起因していたからでしょう。
例えば、1日くらいジンベエが出なくても、水中にプランクトンてんこ盛りなら次の日に希望をつなぐこともできますが、この時の透明度は30年前の太川陽介ばりに爽やかに抜けていたのです。正直、このエリアではジンベエ出現は厳しいかな・・・というのが私の感想でした。

こういう時のワタクシの対処法は大きく分けてふたつあります。まず第一は、私自身も一緒にドヨーンとなって、ジンベエを諦める方向に持っていく方法。「昨年11月にもこんな感じで透明度が良かったことがあったけど、そのときはジンベエに会えませんでした・・・」等々、稲川淳二の口調で訥々と語っていくというメゾットです。まあ、当然ですが、船の雰囲気はさらにドヨヨーンとなりますね。
もうひとつは、やたらと多弁になるという方法。とにかく喋るわけですが、この時のNGワードは「ジンベエ」。他の大物やレアマクロマクロ、もしくはダイビングと関係ない下ネタ等の話題で盛り上がりを狙い、ゲストの脳内から「ジンベエ」の文字を薄れさせるやり方です。
上記の2つの対処法に共通しているのは、ジンベエを諦める方向に持っていくということでしょうか。
ガイドさんによっては、ゲストに望みを持たせる方法で盛り上げる方もいらっしゃるでしょうが、小心者の私個人の感覚ですと、ゲストに望みを持ってもらって、ジンベエに出会うことができれば御の字ですが、もし出会えなかったら・・・と考えてしまいうのです。
それよりも、ゲストに望み薄の状況と把握していただいた上で、もし運良くジンベエに出会えればえらく盛り上がるよな〜と皮算用してしまうのが私なのです。

ともあれ、ガイドも望み薄感覚で迎えた翌10月19日。
この日も抜けるような青空&透明度、ジンベエ様はちょっと・・・というコンディションでした。
う〜〜〜ん、と唸りながらジンベエを探していきますが、当然ながら唸るだけではジンベエは出てくれません。・・・としばらく時間がたったころに遙か前方で他のサファリボートが急旋回するのが見えました。
双眼鏡でじっと見てみると、その船のバウにはスタッフが立ち、前方を指さしています。で、その指さしている方向を見てみると、嗚呼!ジンベエ様の背ビレがにょろっと水面上に出ているではありませんか!!
結局、この時に他ボートが見つけてくれたジンベエをじっくり見ることができたので、結果オーライ、大盛り上がりの10月19日となったのですが、もしここで他ボートがジンベエを見つけていなかったら・・・と思うとちょっと怖くなってたりします。
まさに、「人の褌で相撲を取る」をびっちしなぞるジンベエ遭遇となりました。

こんな感じで、ちょっとスリリングで色々考えさせられるツアーが年に数回あったりします。次回が来週じゃないといいな〜。