アホ話です

maldives2005-10-11

世の中、間違った先入観念ってものがけっこうあるようで、可愛らしいクリオネが実は凶暴な肉食動物だということを知らない方がいたり、ジンベエザメを鯨の仲間と思っている方がいたり、「ウサギは寂しいと死んじゃう」と言った酒井法子にダマされたままの方がいたりするワケですが、同じような流れでどうも「太田祥平はクールなスカシた野郎だ」と思われているフシが多々あるように感じてしかたありません。ガッチャマンでいうと2号ですかね。色はブルー。

んですが、船上の太田祥平はそんなことございません。特に嫁が不在がちな最近は、お酒が入ると「下ネタ9割、海の話1割」くらいの下品さで勝手に爆走していたります。スタッフ・ノリコのドクターストップがかかるまで行ってしまうこともしばしば。
まあ、前フリはこれくらいにして、最近よく船上でお話する下品ネタをここでひとつ開陳してみたいと思います。話に海は出てくるけど、全く建設的な話ではないので、下ネタ嫌いな健全ダイバー諸子はこれ以上読まないように。あ、それと、すでにこの話を実際に私の口から聞いた方も多いかと思いますが、まあその点はご容赦ください。

話は私の大学時代にまで遡ります。
バイト先にMさん(♂)という、ちょっとイヤな奴がおりました。仕事はできないのに後輩にだけはやたら先輩ヅラするという、アレレ、よく考えたら今の私みたいな奴がいたのです。

ところが、この日はなぜか上機嫌で私に話しかけてきたのです。「んだよ〜、また飲み会で知り合った大妻のオンナの話かよ〜」と内心舌打ちしつつ答える私。関東地方以外の方のために説明しますが大妻って、女子大の名前っす。
ですが、その時の話はブスな大妻の彼女の話ではなく、以下のような内容だったのです。(ちなみに、大妻に通っていた女性全てがブスと言ったつもりはなく、そのMさんの彼女がジャミラ並みの容姿をしていたのでこのような記述になりました。誤解無きよう書いておきます、ハイ)

「なあ、太田、おまえ、Kトンネルって知っているか?え、知らない??いいか、Kトンネルってのは神奈川県の○○の近くにあってな、トンネルの上の山はお墓なんだ。でな、その昔にはハデな合戦があったっていう歴史もあるらしいんだよな。なんだかホレ源頼朝だっけか?アレが挙兵したところだって言うし。さらにな、太平洋戦争のころには弾薬庫があって、それがなんかの原因で大爆発を起こし、たくさん兵隊さんが死んだっていう事故もあったらしいんだわ。うん。それで、出るらしいんだよ、アレが・・・え、アレってなんすかってオマエ察し悪いな〜。アレっつたら幽霊でしょうが。ゆ・う・れ・い!」と普段私にはほとんど話かけてこないMさんが、この時はなぜか熱く語ったのです。話はさらに続きます。
「でな、その幽霊なんだけど、トンネルの中よりトンネル脇の砂浜によく出るんだよ。こんなところに女の子連れて行ったら、怖がること請け合い。帰り道にはラブホテルもあるしな♪」なぜか上機嫌で幽霊スポットの説明をするM氏。
「カワイイ太田のために、地図を書いてやる」と言い出すと、スラスラとトンネルまでの道のり、さらにはご丁寧にも近隣のラブホテルの位置まで書いてくれたのです。通常のM氏ならまずやらない親切に、内心オカしいとは思いつつも、その頃ちょうど彼女が出来かけていてどうにかしてその子と接近しようと画策していた私は、このM氏の親切心を真に受けてしまったのです。
「いいか、いきなり女の子といくのはやめておけ。ホント、やばいくらいに幽霊出るから、まずは男2〜3人で下見にいったほうがいいぞ。それから、いいな、忘れるなよ、一番出るのはトンネル脇の砂浜だかんな」と最後の忠告までしてくれました。

で、その日の晩(若いってアホですね。話を聞いたその日に行ってしまいました)、ウチのお母ちゃんのローレルを借りて、バイト先の友人2名と共にそのKトンネルへ赴く私。同行した友達は二人とも男性です。
横浜新道から横浜横須賀道路を経由して、Kトンネルに到着したのは夜の11:00頃でした。Kトンネル手前に駐車して、さっそく砂浜へ向かう私たち。
そろそろと、海へ向かって砂浜を歩いていくと・・・嗚呼、確かに何か白っぽいものがうごめいているのがいくつか見えるではありませんか!!!
”これが落ち武者の霊だ!ああ、成仏してください。兵隊さん達も安らかに〜〜〜〜”と腰が引けた状態で、進むことができなくなっていた私たちに向かって、ナント、白い影たちが近付いてきたのです!
「うわっ」と逃げようとしたその時、私たちの周りが急に明るくなりました。ホワイトアウトする私の視界。”ああ、このまま三途の川を渡ることになるのかな。フェリスのマチコちゃん、ゴメンね〜もう会えない〜。ああ、トゥーリアのパー券、まだ使ってなかった〜”などと臨死状態の思考としては、あまりにも下品なことを考えていると、真っ白だった私の視界が正常に戻ってきました。

そこで私の視界に飛び込んできたもの・・・それは、懐中電灯を手にしたオジサマの集団だったのです。そろそろ肌寒い季節というのに、なぜか皆タンクトップ。しかも瞳が妙にギラギラしています。そう、例えるなら、飢えた野犬のような瞳です。
最初、ホームレスの皆様かとも思ったのですが、頭部などをバシッと刈り込んでいる方が多く、しかも来ているタンクトップからは、なにやら怪しげな香水の香りさえただよってきます。おしなべてこざっぱりとした印象を受けました。
度重なるショックにより、思考停止状態だった私にもおぼろげながら状況が見えてきました。これはもしかして・・・
その時、オジサマの一人が我々に話しかけてきました。
「あら〜、大学生ぃ。寒いでしょ。こっちいらっしゃいよぉ。暖めてあ・げ・る♪」
もう確定です。海物語の魚群リーチ以上の確率で確定です。これはホモの集団なんです。
我々を取りまくオジサマの輪が少しずつ狭まってきたように感じました。隣を見ると、友達は微動だにしません。こういう時、人間ってのは動けなくなるもんなのだ、と実感いたしました。
それでも逃げなくてはいけません。その場にとどまること、それは貞操の危機を意味します。卒塔婆、いやスカッドミサイル並みのものが・・・ああ・・・
動かない体にむち打って、とにかくその場から逃げることにしました。んでも、背中を向けて逃げると、この状況では一番守らなくてはいけない臀部が彼らに晒されてしまうことになります。そこで、私は彼らに正対したまま、つまりザリガニもしくはロブスターのように後ろ向きに逃げることにしました。隣を見ると、友達も同じ姿勢で撤収にかかっています(笑)
この時ほど、車までの距離が長く感じたことはありませんでした。永遠に続くかと思われる道のりをザリガニ歩きする私たち・・・。親が見たら即首くくりそうな絵ではありますが、本人たちは必死です。
幸いにも、オジサマたちは追いかけてはこず、無事に車に到着、まさにケツをまくる勢いで東京へと帰っていきました。

次のバイトの日、さすがにMさんにクレームをしました。
「ヒドイじゃないですか。あの場所、ホモのたまり場じゃないですかぁ」そう非難する私にMさんはこう言い放ちました。

「なあ、やばいくらいに怖かっただろ」

・・・ちなみに、Mさんが教えてくれたラブホテルは、主にその方面の趣向の方が利用されていたとのことです。

すんません、水中ウ○コ以上に実のない話で・・・